参院選は低投票率?


参院選は低投票率?「風頼み」の民・維に危機感


 与野党内で、参院選(4日公示、21日投開票)の低投票率を予想する声が広がっている。
 政党支持率では自民党が独走と言えるほど高い一方、野党は政党が乱立気味で争点も絞り込めておらず、有権者の関心が高まっていないと見ているからだ。無党派層の政権批判票を頼みにする民主党日本維新の会などは、危機感を強めている。
 3日の与野党9党の党首討論会で、みどりの風の谷岡代表は民主党の海江田代表に「このところの選挙は投票率が低い。民主党が国民の期待を大きく裏切ったことによる政治への絶望感に起因しているのでは」と問いただした。海江田氏は「真摯(しんし)に反省しなければいけない」と応じた。
 与野党では、今回の投票率を「40%台後半から50%台前半」と予想する声が多い。過去最低(44・52%、1995年)に迫るとの見方もあり、無党派層の支持で党勢を拡大してきた民主党や維新の会は懸念を強めている。参院選の前哨戦となった東京都議選でも、投票率は過去2番目に低い43・50%となり、民主党と維新の会が惨敗した。しかし、両党とも「都議選で展開したアベノミクス批判に代わる大きな争点が見つからない」(民主党幹部)、「無党派層を引きつける妙案がない」(維新の会幹部)と頭を抱える。
 生活の党関係者は「野党がばらばらで、無党派層の中に『自民党を倒せるかもしれない』という熱気が生まれていない」と語る。野党の選挙協力などが不調に終わったことも、投票率を下げる要因になっているとの見方だ。
 民主党内では、固い組織票を持つ共産党への警戒感も強まっている。投票率が低迷した場合、東京(改選定数5)や神奈川(同4)、大阪(同4)など大都市の選挙区を中心に、「共産党候補と議席を争う可能性が高まる」ためだ。
 一方、自民党では「低投票率ならば有利」(幹部)との見方が多い。無党派層の政権批判票が動かない結果が、低投票率につながると見ているからだ。その分、投票率が高い農村部への働きかけに力を入れており、石破幹事長や小泉進次郎青年局長は、過疎地や離島などを積極的に回る予定だ。