ヘレン・ケラー初来日時の肉声発見…アリガトウ

morinobu20072011-08-18

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ヘレン・ケラー初来日時の肉声発見…アリガトウ


 視力や聴力を失いながら社会福祉活動を行った米のヘレン・ケラー(1880〜1968)が、1937年の初来日時に日本への印象などを語った録音テープが見つかった。

 約8分で最後に「さよなら、ありがとう」と日本語で結んでいる。
 東京文化財研究所早稲田大学演劇博物館の調査で、大阪芸術大学が保管する音声テープ「トーキングブツク ヘレンケラー」に声があった。ケラーは37年4月に来日、8月の離日まで全国で講演した。
 音声はスタジオ収録したもので、盲目の福祉運動家岩橋武夫の問いを秘書が指でケラーに伝え、彼女がくぐもった声で答えている。
 ケラーは滞日生活の印象を述べた後、「日本の友にお願いしたいのは、見えず聞こえざる同胞に対して惜しみなき助けの手を伸べていただきたい。彼らを社会の有用な存在たらしめ、幸福なる人たらしめてほしい。真の助けの手を伸べていただきたい」と、福祉向上を訴えた。
 ケラーは戦後にも2回来日し、その映像と音声はあるが、戦前の音声は貴重とみられる。研究所や早大は「目と耳が不自由なケラーに日本語を語らせるのは、声帯の動きを通して教えるなどの苦労があったはず」と話している。