大阪は・・どうなるのだろう

morinobu20072012-04-18

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☆「大阪市音楽団」事業見直し 橋下市長、早期自立迫る
 大阪市の改革プロジェクトチーム(PT)がまとめた事業見直し試案についての公開討論が17日行われ、平成25年度での廃止方針が示された市音楽団について議論が交わされた。音楽団側が「どういうスキームでの自立が可能か専門家を交えて相談させてほしい。もう少し時間がほしい」と廃止時期の延長を求めたのに対し、橋下徹市長は「最終的には自立するしかない」と早期の決断を迫った。
 音楽団側は演奏料の値上げによる年間約320万円の増収策や、楽曲のネット配信を通じた歳入増をアピールしたが、PT側は「到底自立に向けた改善策とはいえない」と一蹴。橋下市長は「音楽団の活動は素晴らしいが、自治体が税でラグビーチームを抱え込む必要があるか」とたとえ話を持ち出し、子供たちへの指導が中心の活動について「公演で勝負をするようにポジションを変えた方がいいのでは」と詰め寄った。
 橋下市長は、6月公表の市政改革プラン案に音楽団の方向性を盛り込む考えを示し、それに先立って楽団員と意見交換する意向を示した。音楽団の辻浩二団長は会議後「自主運営となれば財源確保が一番難しい問題になる」と話した。

☆橋下市政で揺れる文楽補助金凍結、地方公演厳しく
 大阪が生んだ伝統文化、文楽が、橋下徹大阪市長(42)の下で揺れている。府知事時代に財団法人文楽協会への府補助金を半減させた橋下氏が、20日に発表した平成24年度市当初予算案で、年5200万円あった補助金を凍結したためだ。同協会は「これ以上削減されれば、文楽の地方公演などが厳しくなる」と訴えている。(飯塚友子)

 「文化についても、努力に応じて公の助成をしていくことを基本姿勢としていきたい」。橋下市長は20日の会見で補助金についてこう語り、7月編成の本予算に向け厳しい態度で臨むことを宣言した。文楽協会に対しては市特別参与による聞き取り調査が始まり、同協会職員は「補助金ゼロの可能性もある」と危機感を募らせる。
 橋下氏は府知事時代、それまで年3600万円あった文楽協会への補助金を、23年度には2千万円に減額。21年には国立文楽劇場大阪市)の舞台を見て「二度と文楽を見ることはない」と突き放したこともあった。
 市長就任後の今年1月、竹本住大夫さん(87)ら人間国宝6人を含む文楽技芸員(太夫、三味線、人形遣い)が、報道各社に書面を送付。「一度失われた文化・伝統は、もはや回復不可能なものです。特に大阪で生まれ育った文楽の灯は決して消してはいけない」と訴えた。

 文楽は国際的評価が高く、3人で1体の人形を遣う世界でも例のない日本固有の文化として、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている。現在81人の技芸員は文楽協会に所属し、協会が国立文楽劇場国立劇場(東京・隼町)と契約を結び、技芸員を派遣する形で公演を行っている。
 同協会の収入は興行収入が8割、補助金が2割を占め、その内訳は国が8千万円、市が5200万円、府が2070万円(23年度)。興行収入補助金を合わせた事業活動収入は22年度実績で7億6588万円で、ここから技芸員の出演料や、協会職員(事務職8人、「床世話」と呼ばれる裏方4人)の給与が支払われている。
 大阪、東京合わせ年8回の本公演は各劇場主催で行われるため、市の補助金減が直ちに影響することはないが、同協会は「協会主催で毎年約30カ所を回っている地方公演が難しくなる」と懸念する。
 橋下市長は1月の府市統合本部会合で「文楽協会は文化の名をかたった行政と外郭(天下り)団体の構造。文楽は守るが文楽協会は守らない」と発言。ツイッターでも歌舞伎などを引き合いに「芸事の皆さんはお客さんを集めるため、身分保障などない所でなりふり構わず汗をかかれています」と文楽関係者を叱咤(しった)している。
 一方、三味線の人間国宝鶴澤清治さん(66)は「文楽は人形の大きさの制約もあり、大劇場では公演できない」と指摘。にもかかわらず歌舞伎より低料金(1等5800円)で公演を続けており、清治さんは「保護を頂き、国民に愛されなくては300年続く文化を維持できない」と話す。ちなみに22年度、国立文楽劇場(客席数731)の総入場者数は9万2千人、国立劇場(客席数560)の有料入場率は各公演83〜99%に上り、「不入り」とは言えない。
 演劇評論家藤田洋さん(78)は「地元固有の伝統文化への補助金削減は信じがたい行為だ」と橋下市長を批判する一方、「文楽は素晴らしい芸を見せているが、協会も自助努力が必要で、組織もスリム化が可能」とも述べ、双方の課題を指摘している。

 大阪城ホール海遊館などの株売却を正式決定 大阪市大阪市は、大阪城ホール中央区)や海遊館(港区)など、黒字4社の保有株式を売却する方針を正式決定した。市はすでに、外郭団体などの保有株について、関西電力を除く全株式の原則売却方針を決めており、これに基づく措置。海遊館は平成26年度、ほかの3社については27年度をめどに売却する意向で、市OBや幹部の役員派遣も取りやめる方針だ。

 4社は、市が全額出資する大阪城ホール(株式簿価45億円)、第三セクター海遊館(同5億円)のほか、キタ地区の地下街などを管理する大阪市街地開発(同2億8768万円)と大阪地下街(同4025万円)。市の22年度決算で、海遊館からは1500万円、大阪地下街から402万円の配当金を得ている。

 市の保有株をめぐっては、橋下徹市長が3月の市議会で、原発依存度を下げるため株主提案権を行使する関西電力を除く36社の株式(簿価計1689億円)を売却する方針を表明。今回、黒字の優良会社について売却方針が決まった形だが、20年には海遊館運営会社株をめぐり、いったん売却先と合意しながら市議会の反対で撤回に追い込まれたケースもあり、市議会の対応が注目される。