今秋の紅葉、好条件そろう

morinobu20072010-11-04


今秋の紅葉、好条件そろう 誘客アップへ期待

 朝晩が急に冷え込むようになった京都で、紅葉の色づき具合に期待が高まっている。府立植物園(京都市左京区)によると、今年は適度な冷え込みと降水量で美しくなる条件がそろい、観光スポットでは色鮮やかな「錦秋」が望めそうだ。
 最低気温が6〜7度で葉のクロロフィル葉緑体)が分解され、昼夜の寒暖差が激しいほど赤色色素(アントシアン)の生成が活発になる。京都地方気象台によると、10月は降水量が平年より40ミリ多い160ミリ、最低気温は7・8度(27日)と平年比3・1度下回り、きれいな紅葉の条件に適している。
 同植物園の小倉研二樹木係長は「夏の日照も十分。先月末からケヤキの葉が赤茶色になり始め、色づきがよい年の傾向を示している。順調にいけば11月中旬に美しく色づく」とみる。
 気象情報会社ウェザーニューズ(東京都)は嵐山での見ごろは平年並みの11月16日と予想し「例年以上の鮮やかな紅葉となる」とみており、紅葉狩りの人出増に期待を寄せる業者や観光地も多い。
 線路上で「もみじのトンネル」のライトアップを12〜30日行う叡山電鉄左京区)。昨年は新型インフルエンザの影響で期間中の乗客が3万5千人(前年比2万3千人減)にとどまったが、「色鮮やかな紅葉になれば回復が見込める」と望みをかける。市内の紅葉名所も「去年より見ごろが遅れることはない」(高雄保勝会)と準備に余念がない。
 ただ、気象庁によると、関西は暖冬が多かった過去10年と比べやや寒い冬になる予想で、急激な気温低下を懸念する声も。嵐山保勝会(右京区)の田中克彦専務理事は「冷え込みすぎるとすぐに葉が落ちる恐れがある。『京都・嵐山花灯路』が始まる12月10日ごろまでもってくれれば」と話す。