津波警報で必死に逃げた

morinobu20072011-04-08


津波警報で必死に逃げた」=被災者ら、不安と疲れ―震災後最大余震から一夜明け

 またも激しい揺れに襲われた東北地方。一夜明けた8日午前、宮城、岩手両県の避難所では、被災者らが先月の大震災以来の大きな揺れに、不安や疲れを隠せない様子だった。
 震度6強を記録した仙台市宮城野区。市立岡田小学校に避難する遠藤こまさん(78)は「津波警報が出たので必死に校舎の3階まで逃げた。最初(先月11日)に怖い思いをしたので、今回もとっても怖くて…」と不安を隠し切れない。
 同じく震度6強だった宮城県栗原市では、南三陸町から集団避難してきた住民が暮らす日帰り温泉施設で天井に穴が開く被害が出た。就寝中だった三浦育子さん(34)は動転する母をなだめ、布団を頭までかぶって耐えた。「南三陸町に残った親戚の家が今度こそ津波で流されてしまうのではないかと心配だった」という。
 約650人が避難する宮城県石巻市の市立門脇中学校で、両親と5歳の娘の4人で生活する吉田恵美さん(36)は、防災無線津波警報を知った。「前回は昼間だったので周りの状況が分かったが、今回は暗い中。娘も恐怖で体をぶるぶる震わせていた」と振り返った。
 約260人が身を寄せる岩手県大船渡市の市民文化会館。地震後すぐ、道路より低い位置にある1階から2階に避難者が駆け上がった。2階にいた勝部美香さん(46)は「パニック状態で人が津波のように流れ込んできた」と振り返る。
 一家4人で1階にいた主婦村上奈穂さん(40)も「揺れが収まらないうちに、途中で転びそうになりながら」2階へ避難。「高台に逃げた方がいい」という声を聞き、外に出て高台に通じる階段を途中まで上った。妻子と一緒に不安な夜を過ごした村上広樹さん(46)は「一番のショックはやっと復旧した電気や水道が止まったこと」と話し、「ライフラインのない生活がまた続くのか」とため息をついた。