福島第1原発 県産野菜がネットで大人気

morinobu20072011-04-20


福島第1原発 県産野菜がネットで大人気

 福島県の農家が福島第1原子力発電所の事故の影響で風評被害に悩むなか、全国の消費者がインターネットを通じ福島産の農産物を直接購入する動きが広がっている。JA全農福島のネット販売は、米や野菜、農産物加工品など約20品目すべてが例年以上の注文を受け、中には品切れになった商品も。市場を介した小売りは値崩れする傾向にあり、価格に変化がないネット販売が地元農家の心強い味方になりつつある。


 ◇ジュース品切れ トマト取り扱い3倍
 JA全農福島によると、ネット販売している果汁ジュース「福島桃の恵み」が19日、品切れになった。例年、夏に収穫して9月から製造を始めるが、4月の段階で売り切れたのは過去に例がない早さで、ほかに在庫がないかを確認している。
 また、水耕栽培のトマトを販売するいわき市の「とまとランドいわき」では、ネット販売の取扱件数が例年の約3倍になっている。原発事故の前後で、価格は変わっていない。市場や仲卸業者を介した販売が例年の半額以下で取引されている状況と対照的だ。
 とまとランドいわきは原発から約35キロの地域にあるが、すべてがハウス栽培のため、自主的に検査した放射線量にも問題はみられなかったという。
 事故直後、35人の全従業員はいったん退避し、3月17日から営業再開したが、市場や仲卸業者から出荷を断られる状態が1週間続いた。