<ノーベル医学生理学賞>米教授の遺族沈痛「誇りに思う」

morinobu20072011-10-07

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ノーベル医学生理学賞>米教授の遺族沈痛「誇りに思う」


 ノーベル医学生理学賞を受賞するラルフ・スタインマン米ロックフェラー大教授(68)の家族は3日、受賞決定後に米ニューヨークのロックフェラー大で会見。時折涙を浮かべながら沈痛な面持ちで故人をしのび「今の気持ちを語るのは難しいが、素晴らしい賞をもらいとても誇りに思う」などと語った。
 会見では冒頭、大学関係者が「スタインマン教授の受賞は喜ぶべき知らせだが、ほろ苦いものになった。教授ががんとの闘いの末にこの世を去ったからだ」と言及。その後、壇上に立った息子アダムさんは、スタインマン教授は「科学に国境はない」と研究に臨み「競争ではなく協力を大事にしていた」と話した。
 また、アダムさんは3日、米国ラジオ局の取材に対し、スタインマン教授が自身が発見した樹状細胞を使った免疫療法で延命したことについて「おかげで家族と一緒の時間を長く過ごすことができた。彼の業績を裏付ける証拠だ」と語った。
 娘アレクシスさんは同日、AFP通信の取材に「(膵臓(すいぞう)がんで闘病中に)ノーベル賞の発表がある月曜日(3日)まで頑張らないと、と家族で冗談を交わしていました」と語った。一方で「父はとても謙虚な人でした」と振り返り、スタインマン教授が生前、「偉大な科学者はたくさんいるので、彼ら(ノーベル賞選考委員会)は誰か別の人を選ぶだろう」と話していたことも明かした。【岩佐淳士、八田浩輔】