嘉田新党に小沢氏合流 「日本未来の党」旗揚げ

morinobu20072012-11-28

20090908170155


嘉田新党に小沢氏合流 「日本未来の党」旗揚げ


 滋賀県嘉田由紀子知事(62)は27日、大津市内で会見を開き、衆院選に向けた新党「日本未来の党」を設立し、自身は知事職のまま代表に就くことを発表した。「卒原発」を前面に打ち出して国政に進出する嘉田氏に対し、「国民の生活が第一」の小沢一郎代表(70)が呼応。「合流して一緒に選挙を戦う」と、生活の解党→合流を決めた。「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」も合流方針を確認。「みどりの風」も連携を決定するなど、共闘の輪が一気に加速した。

 雄大な琵琶湖を背にした会見場で嘉田氏は「琵琶湖は若狭地域にある原発から30キロ圏内。知事として守りたいという思いから」と、国政進出への経緯を説明。原発ゼロを目指す「卒原発」など6つの軸の政策「びわこ宣言」を発表した。

 宣言に賛同を表明した著名人リストも公開され、音楽家坂本龍一(60)、俳優業引退をほのめかした菅原文太(79)ら5人が連名。菅原は「日本のメルケルになってください」と、ドイツの女性首相アンゲラ・メルケル(58)の名を挙げ、激励メッセージを送った。

 だが、嘉田氏自身は出馬せず、代表代行に就任する大阪市特別顧問の環境学者・飯田哲也氏(53)も「白紙」とした。擁立候補者も決まっておらず、12月4日の公示までに国会議員5人以上という政党要件クリアも既成政党頼りだったが、連携の輪は急速に拡大した。

 文書での呼び掛けを受け、生活の小沢氏はすぐさま反応。「日本未来の党と合流し、一緒に選挙を戦うことを決めた」と、解党→合流を決定した。生活は、前週の24日から選挙用ポスターの作製をいったんストップさせており、剛腕でならした小沢氏が、“電撃合体”へ向けて水面下で調整していたとの見方もある。合流後は嘉田氏から小沢氏への代表交代もあり得そうだ。

 また、「脱原発」も合流方針を決定。「みどりの風」も、参院議員4人で党は存続させるが、前衆院議員3人で「一緒に戦う」と連携を決定。みんなの党も共闘を模索している。

 だが、維新だけは蚊帳の外だ。嘉田氏は会見で「大都市(大阪)と田舎ということと、(維新が)多様な社会状況を反映していない点で違いがある」と説明した。

 一方、維新の代表代行・橋下徹大阪市長(43)は、新党誕生にこの日、「脱原発のグループは、ある意味で非常に危険だ。鳩山由紀夫元首相が米軍普天間飛行場の県外移設を言ったのと同じ。言うのは簡単だが、できなかった」「彼らがどれだけ高い目標を掲げようと絶対に実現できない。実行した経験がないからだ」と発言。警戒心をあらわにした。脱原発を合言葉に、琵琶湖から名乗りを上げた“嘉田新党”に小沢氏らが加わり、新たな台風の目になる可能性も出てきた。

 ◆嘉田 由紀子(かだ・ゆきこ)1950年5月18日、埼玉県本庄市生まれ。62歳。京大農学部から米ウィスコンシン大大学院、京大大学院を経て、81年に滋賀県庁に入庁。琵琶湖研究所の所員として、琵琶湖の水環境の研究にあたる。2000年から京都精華大教授を務め、06年、新幹線新駅建設中止を掲げて滋賀県知事選に初当選。全国5人目の女性知事となり、10年の知事選で再選を果たした。

☆自民と民主、維新と未来‥よりイヤな党を見極める‥選挙のようだ?