礼儀正しい日本人育成できるか 中学の武道必修化

morinobu20072010-12-06


礼儀正しい日本人育成できるか 中学の武道必修化

 「武道必修」で伝統文化への理解は深まるのか−。平成24年度から始まる中学校の武道必修化。しかし、中教審が示した「伝統」重視に異論を唱える声も少なくない。「礼に始まり礼に終わる」といわれる武道。その武道に精通していない教師もいる中で、礼儀正しさを身に付け、目標とする国際社会を生きる日本人を育成できるのか。(日出間和貴)
 ◆格好の教材「論語
 「武道の鍛錬だけでは人間力を高めることはできない。今の日本人が身に付けなければいけないのは、武士道に象徴される誇り高い心の持ち方である」
 空手道場「瀬戸塾」(東京都目黒区)塾長の瀬戸謙介さんは稽古(けいこ)で汗を流すだけでなく、勉強会も開く。人の道を説く「論語」などの古典を題材に、生きる指針を探る。武士道の精神を学ぶうえで論語は格好の教材と考えるからだ。
 著書『子供が育つ「論語」』(致知出版社、1470円)の中で、「子供のときに徳育を根付かせる教育を受けた者は、決して曲がった人生を歩まない」と強調し、人生の努力目標を持つことの意味を説く。
 中学校の武道は新学習指導要領の保健体育に盛り込まれ、24年度から完全実施に移行する。〈武道の伝統的な考え方を理解し、相手を尊重して練習や試合ができるようにすることを重視する〉伝統を重んじ、日本古来の倫理・道徳観にも言及している。
 ◆「志」を持たせる
 しかし、武道家でもある神戸女学院大の内田樹(たつる)教授によると、日本の武道は近代において2度、決定的な「断絶」を経験した。最初が明治維新、2度目が敗戦である。戦後、学校教育の中に復活した武道はあくまでスポーツとしての要素が根強く、そうした歴史的プロセスを抜きに武道を語ることはできないという。
 新渡戸稲造は『武士道』を英文で書き、桜花と同じように「日本の国土に咲く固有の華」と位置付けた。
 現代の学校教育の中に武士道の光をどう照らすのか。瀬戸さんはその鍵は「指導者の力量にある」とした。そのうえで、「人間としての正しい生き方を学ぶには、情とか打算に左右されない若い年齢のほうが身に付く。武道の実践と並行して、立派な大人になろうとする『志』を持たせることが何よりも大切だ」と話した。

☆いい面ももちろんあるが意味を間違えそうな不安もある・・?